ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ弾きの皆さん。エフェクターって知ってますか?
そう、エレキギター弾きがよく使っているちっちゃい箱で、音を加工するやつです。
私のような、幼少期から木のヴァイオリンをギコギーコしていたガチクラシックのVn弾きからすると、
正直アレ、よくわかんなくないすか?
「ギタリストの道具でしょ?」
「一部のマニアの楽しみでしょ?」
「オトコのロマン的なやつでしょ?」
私には縁のない世界だと思っていました。
でも、いったんクラシック以外のジャンルに踏み出すと、このエフェクター問題が一気に自分ごとになります。
つまり、演奏環境が
“オーケストラや室内楽”→“バンドやセッション”
に変わると、エフェクターを使いこなすスキルが大事になってくるんです。
今回は「弦楽器奏者がエフェクターを使えると何が良いのか」について、エフェクターアレルギーだった私の体験をもとに3つのポイントにまとめてお伝えします。
エフェクター初心者におすすめの”選び方”
まずそもそもですが、エフェクターには2種類あります。
1.コンパクトエフェクター
1コにつき1つのエフェクトが搭載されている。こんなやつ。
2.マルチエフェクター
何種類ものエフェクトが1つに詰まっているもの。初心者にはコチラがオススメ。
“そもそもこの世の中にはどんなエフェクトがあるのか”というのを知らない、私のような初心者は、色々試してみて「まず知る」ことが大切。
私が買ったのは、ZOOMの「A1X FOUR マルチエフェクター」コレ1台
エフェクター初心者の私は、迷わず「2.マルチエフェクター」を選択。
また、その中でもこのA1X FOUR マルチエフェクターは、
・アコースティック楽器にも使える
・私の周りの非クラシック系バイオリニストは皆コレ持ってる
という理由から、とりあえず買ってみました。¥14,000くらい。
今のところ、後悔ポイントはないです。
むしろ周りに持ってる人多いので、わからないことがあればすぐに質問できるので助かります。
このマルチエフェクターを、エレキヴァイオリンに繋いで使っています。
私が持っているエレキヴァイオリンはコレです。
バイオリン弾きがエフェクター買って良かったこと3つ
1.声がかかる
これが一番のメリットですね。演奏機会が増えること。
私自身、最近スムースジャズ/ファンク系のバンドに誘われて、こないだリハやってきました。めちゃくちゃ楽しかったっす。こんな感じでした。
自分が「エフェクター使える系奏者である」ことが周囲に知られていれば、バンドとの演奏機会が舞い降りてくる可能性が高くなります。
一緒に演奏したいかどうかの決め手は、
「演奏技術」とか「人間性」などの無形資産であることが多いですが、
非クラシックな世界においては
「エレキ楽器やエフェクターを持ってるか」といった有形資産も重要なんですよね。
2.多様な音色が出せる
ボタン一つで音色を変更できるので、1人何役もできます。
どんな曲をやるにしろ、1曲の中でも場面がいくつもありますよね?
「静かめ伴奏賢者タイム」「オレのソロを聴けコラァタイム」「目立ちすぎないオブリガードタイム」などなど。
エフェクターが無い場合、人力で差をつけなければならず、これには限界があります。
エフェクターがあれば、ボタン一つで表情豊かに音色を変えることができ、まるで何人もいるかのような広がりのある音楽を作ることができます。
一人何役もこなせるプレイヤーというのは当然、市場価値が高くなります。
3.周りが爆音でも負けない
エレキヴァイオリンとエフェクターがあれば、ドラム、キーボード、エレキベース、ギター、サックスといった大音量楽器と一緒にやっても、彼らに潰されることなく共演できます。
そもそも弦楽器の音をバンドサウンドに負けないよう増幅する方法は以下の2つです。
1.マイク録り(楽器にピンマイクつけたり、マイクに近づいて弾いたり)
2.ライン録り(楽器についてる穴にケーブル指す)
1.のマイク録りだと、自分のマイクが他の爆音楽器の音を拾ってしまいハウリングしてしまいます。
ですので、大音量系バンドに混ざる際は「2.ライン録り」がオススメで、そのためにはエレキ楽器が必要です。
さらに、そこにエフェクターがあれば、音の周波数を調整できるので、
自分の音を他の共演者の楽器の音とぶつからせず、目立たせることができるのです(=抜けの良い音が出せる)。
まとめ
バイオリン奏者がエフェクターを手に入れることで得られるメリット3つ
1.声がかかる(=演奏機会が増える)
2.多様な音色が出せる
3.周りが爆音でも負けない
そして、これからエフェクターにチャレンジしてみたいという方は、とりあえず私も買ったマルチエフェクター「A1XFOUR」を買っておけば損はしないと思います!
補足:エフェクターにハマるのもいいけど…
エフェクターの世界はマジで深くて広い沼であり、自分の好みの音色を作る作業というのは本当に面白いです。時間が溶けます。
ですが、この”音作り”にだけ100%のチカラを注ぎ続けるべきかというと、そうではないと思います。
リズム感、フレーズの作り方、周りの音をよく効いて反応するチカラ、間の取り方、など「自分の内面にある音楽的スキル=無形資産」も大変重要です。
こっちを軽視してしまうと、どんなに音色がカッコよくても、全体的にはダサくなっちゃいます。
有形資産(音作りや環境整備)と無形資産(音楽的スキル)。両方にバランス良く投資することが、弦楽器ライフを向上させるのに重要なことかなと!