“バイオリンでクラシックだけじゃなくてジャズもやってみたいなー”
“でも、そもそもジャズバイオリニストってグラッペリくらいしか知らない…”
“誰を手本にすればいいんじゃー(o´・ω・`) コマッタモンダ”
はい、実は世界には(日本にも)ジャズバイオリニストがたーくさんいるのです。
私自身、今は主にジャズバイオリンを演奏していますし、今まで国内外のジャズバイオリニストのライブ、ジャムセッション、ワークショップ等にも参加してきました。今も猛烈に修行中です。
そんな私が“ジャズバイオリン弾き”視点で、おすすめアーティストを10人厳選してご紹介します。聴いて楽しいのはもちろん、ジャズバイオリンを学びたい人にピッタリな「勉強になるアーティスト」10選です。
ザック・ブロック
クールな塩顔イケメンと思いきや激辛パフォーマー。
アメリカのジャズバイオリニストで、あのグラミー賞ユニット「スナーキーパピー」のメンバー。
圧倒的な超絶技巧によるアドリブプレイと、エフェクターを駆使したエレクトリックサウンドが大きな魅力。
スケボーとコーヒーが大好きという、下北系男子。(ニューヨーク在住)
カン・イチェ
韓国のジャジーでロックなファンキーガール。
正統派ジャズというよりは、ファンクっぽいブラックミュージックが守備範囲。
バイオリンだけでなく、ボーカルやらマンドリンやら色々こなしちゃうマルチプレーヤー。
エフェクターを使ってバイオリンと自分の声を重ねる「ループパフォーマンス」も圧巻。
みっちりクラシック教育を詰め込んできたであろうハイパーな技術に裏付けされた、きめ細やかでグルービーなフレーズがたまらん。
北床宗太郎
“ジャズバイオリン王子”日本代表。
とにかく音色の美しさがハンパじゃない。ジャンルに応じた音色の作り込み、使い分けがとにかく秀逸。生音・エレキの両面でのクリエイティブな演奏が魅力。
また、弦楽器中心のオンラインジャズレッスンサイト「ジャズバイオリン・ディレクション・ジャパン」を運営。その活動のひとつとして、都内にて月イチでジャムセッションを主催。ジャズ系ストリングス奏者が集まり、演奏を楽しんだりお互いスキルを高めあったり、貴重な交流の場となっている。
エヴァ・スロンゴ
“今っぽいジャズ”が魅力の、スイス出身の美女。
この人も「弾くし、歌う」系バイオリニスト。小野リサっぽい柔らかな歌声がマジで癒される。よくバイオリンで出してる音と同じ音を同時に歌ったりしているが、なんか途中でどっちの音かわからなくなるフワフワポワポワ現象が巻き起こり、幸福感大爆発。
マテウシュ・スモチンスキ
ポーランドのデッカい神童。
ジャズ専門の弦楽四重奏団「Atom String Quartet(アトム・ストリング・カルテット)」の2ndバイオリン担当。
バリテクのバイオリン速弾きソロは圧倒的。そして純度の高い音色、チョップを駆使したグルーヴ作り、度肝を抜くエレクトリックパフォーマンス、バイオリンでの伴奏能力、全てにおいて最高なオールラウンダー。
2019年に来日しライブ・ワークショップを開催した際には、ジャズストリングス界隈で”マテ様旋風”を巻き起こした。
ダロル・アンガー
ザ・巨匠。神の右手を持つ男。
弦楽器弾きならこの人は知っておいて欲しい。
ジャズだけでなくブルーグラス等のフォークミュージックも極めており、弦楽器でパーカッションする技術「チョップ」の第一人者。
グラミー賞を受賞したジャズ専門弦楽四重奏団「タートルアイランドカルテット」を結成。
とにかく、彼の美しい右手の動きをみて欲しい。白飯3杯はイケる。
ジェレミー・キッテル
フォーク寄りのジャズバイオリニスト。
トラッド、ケルト、ジャズ、クラシックなど、さまざまなジャンルでの深い経験からくり出されるサウンドは、上澄みの上澄みの上澄み。
特にビブラートのかけ方が秀逸。ピュアなノンビブラート、ゆっくり大きいビブラート、ダイナミックで爆発力のあるビブラート。とっても勉強になります。
maiko
彼女の魅力はとにかくライブ演奏にあり。
リッチな残響。高熱アドリブ。そして強力なバッキング陣とリアルタイムで作り上げられた「maikoさんのサウンド」が溢れてる。
ジャズバイオリンを始めたきっかけは、寺井尚子さんだそうです。寺井さんのライブに通いつめ、アドバイスをもらいながらスキルを磨いていったとのこと。
生で聴くと、すんげえ贅沢した気分になれますよ。
マッズ・トーリング
“みずみずしい”という言葉は、たぶんこの人のためにある。音が豊潤。淡麗。プレモル。
デンマーク出身のジェントルマンは、鈴木メソッドから始まり、バークリーでジャズに没頭し、そしてあの「タートルアイランドカルテット」に加わりグラミー賞をゲッツ。
2017年には北床宗太郎氏が彼を銀座に連れてきてくれて、ワークショップ・ライブが実現。そのときワクショ参加しましたけど、まじで、ちょーかっこよかった!!!
クリスチャン・ハウズ
みんなのハウズ先生。
マライアキャリーとかレスポールとか、錚々たるメンツと共演歴がある、アメリカのトップジャズバイオリニスト。
とにかく彼は教育にアツい。アツすぎる。彼が主催する、弦楽器奏者のためのアドリブ演奏ワークショップ”The Creative Strings Workshop”は 日本人プレイヤーにも大人気。
あと、彼のYouTubeチャンネルの「Play Along」動画シリーズは超有益。楽譜なんか無くても、これの動画をマネするだけで、ジャズっぽい弾き方に近づけると思う。
まとめ
クラシックでバイオリンを弾いてきたみなさん、そしてこれからバイオリンを始めようとしているみなさん。
是非、今回紹介したような”非クラシックなバイオリンの世界”に足を踏み入れていただければ幸いです。